仮面ライダージオウ 最終回『2019:アポカリプス』感想と1年間の振り返り  

2019年8月28日 水曜日

久しぶりの更新でございます。いやあ、仮面ライダージオウ、面白かった。平成ライダーでは、5本の指に入るフェイバリット作品になりました。ともあれ、まずは最終回前&最終回の感想を。

第48話「2068: オーマ・タイム」

怒涛のラスト展開。スウォルツの陰謀が明らかになり、並列世界の融合が進み、各平成ライダー世界の戦闘員やボス敵や巨大敵が魑魅魍魎のごとく湧き出して街を破壊している。世界の破壊と言えばディケイド、そしてライダーの破壊と言えばチェイスだ。この回は前回に続いて、俺の好きなダークヒーロー上位に入るチェイス(『仮面ライダードライブ』)が出てきて、活躍してくれてよかった。それも仮面ライダーチェイサーとしてではなく、チェイスとして登場し、最後は人間をかばって散る…という、まさにチェイスらしい役回り。そんなチェイスに向かって、ゲイツが「お前には友がいるぞ。仮面ライダーマッハ、詩島剛だ」と言っていたけど、映画を見ていない人には「なぜゲイツがそのことを?」とピンとこなかったかも知れない。映画でゲイツが出会った詩島剛が、「俺はダチにもう一度会う方法を見つけるために世界を旅してんだ」と言っていたのです。剛よ、そこまでチェイスのことを…(涙)

さてこの回で最大の見せ場は、やはり「仮面ライダーツクヨミ」でしょう。最後の最後で、ヒロインがまさか仮面ライダーとして変身するとは、全く予想していなかった。未来に飛んだソウゴが、2068年のツクヨミにライドウォッチを渡した時点でも気づかなかった。「ツクヨミ!君はすでにウォッチを持っている!」からのウォズのベルトパスからの、力強い「変身!」の宣言。そして変身エフェクトと変身音声(歌)。わずか2回しか登場しないライダーでもここまで作り込むことに感心するのでした。

最終話 「2019:アポカリプス」

ツクヨミの裏切りに始まり、未来のオーマジオウとの対決、スウォルツ・ツクヨミ兄妹の葛藤、おじさんが時計屋だったことの演出上の意味、全ての伏線が回収され、20年の記念碑作品にふさわしいスケールの「アポカリプス」を描ききり、かつ禁じ手の「異世界」で誰からも反論・反感の出ない幸せなラストシーンを描いた大団円。

「禁じ手」と言っても、世界の破壊者ディケイドが出てきて、それを凌駕して時空を超える力、世界を破壊して作り変える力まで手に入れている最大愛悪の魔王の前には、「夢オチ」以外の全ては禁じ手ではないのでした。でも『ビルド』のときも思ったけど、こういうタイム・パラドックス、パラレルワールドものって、お話の筋書き上は、うまく解決したように見えるんだけど、結局ソウゴが自分の望むように恣意的に作り上げた学園世界とは違って、オーマジオウが支配する2068年の世界は、人民が弾圧されて荒んだ可能性の世界として存在し続けるわけで、ジオウをかばってゲイツが死んだ世界も、パラレルワールドとして存在しているのか…いや、その世界は作り変えたからない、のか?  等と考え出すとキリがないので、作り変えた学園世界で、妙光院ゲイツを主人公としたスピンオフVシネ『仮面ライダージオウnext ゲイツ・マジェスティ』の制作が発表されたことを持ってよしとしよう! 第一話の、柔道部の旧友にいきなり路上で巴投げされるシーンに、ここでつながってくるところ、「普通の高校生、トキワソウゴは…」のナレーションがエピローグとして被さってくる演出の妙に「おお」と声が出た。(アスファルトの路上で柔道の投げ技は、うまく投げないと命の危険性があるので良い子は真似しないようにね)

1年を振り返って

これまでの仮面ライダーが出てくる作品といえば、平成ライダー10周年記念作品の『ディケイド』が記憶に新しいが(新しいと言ってもジオウが20年…10年前だ!)、ディケイドの場合は、門矢士が並行世界のライダーワールドを旅する作品で、オリジナルキャストはほとんど出てこず、各ライダーの設定も、多くの場合は本家とは違うパラレルワールドだった。それは色んな制約上仕方のないこともあるだろうし、作品としてまとまっていたので、あれはあれでよかった。しかし、今作『ジオウ』は、もともとのライダーの設定、世界はそのままに、沢山の本家俳優が登場して、さながら平成ライダー同窓会、「あのライダーは今…」のような様相を呈していて、本当に良かった。思い入れ深い作品のオリジナルキャストが出てくると、やはり見ていて熱くなる。

その中で特に印象に残ったのは、ブレイド回。

『仮面ライダー剣』回

仮面ライダーカリスことジョーカーこと相川ハジメが守っていた天音ちゃんが、あんなに大きくなって、喫茶店を継いでいる! そしてそれを今でも陰ながら見守り続けているハジメと、出会ってしまった剣崎。2枚のジョーカーが出会ってしまったら、「ライダーバトル」が始まってしまう! その世界の破滅を、「ライドウォッチ」という形で収拾するジオウ。いやー、演技がうまくなっている相川ハジメと、全く変わらない剣崎の対比もまた、味わい深かった。

『仮面ライダー響鬼』回

あとは響鬼回も印象深い。何としても魔王を祝いたいウォズが奮闘するコミカルな味と、あの「鬼が魔化魍と戦う」世界がちゃんと再現されていること、響鬼さんの最後の弟子だった桐矢京介が、「モグリの鬼」として弟子をとっていて、轟鬼に睨まれていること。電王の後、2011年に引退していた中村優一が、俳優として復帰していたことをここで初めて知った。この回は、令和初の放送。白倉プロによると「ある時、一同ふと気づくわけです。平成ライダーの中に唯一、「継承」「世代交代」をテーマにした番組があったことに。言ってみれば、このタイミングで『響鬼』編をお送りするために、逆算してレジェンド編を再開したようなところもあります。」とのこと。

最後、ライドウォッチが光り、白い「桐谷変身体」から、正規の「響鬼」に返信できるようになった京介。「響鬼さん…俺を認めてくれるんですね」。果たして、この世界では響鬼さんはあの後どうなったことになってるんだろう。この演出だと死んだことになるのかな…。

『仮面ライダーカブト』回

カブトの話も熱かった。響鬼と同様の事情により、主人公ライダーが出てこない世界。ここではガタックが出てくるんだけど、地獄兄弟も再臨した!全国のお友達も同様だと思うんだけど、何が驚いたって、立ち回りも立ち居振る舞い、殺陣も13年経っても全然衰えないシャープな印象の矢車さん。そして別人かと思うほど中年体型になってしまった影山!おまえどうしてワームなのにそんなにオリジナルの人間と体型が変わるんだ! まあそれは置いておいて、影山がワームと知りながら、弟分として扱う矢車、そして最後にワームとして消滅するときの救いのない言葉。地獄兄弟のエピソードっぽくてよかったです。そしてそして、本編では最初から最後まで、あれほど熱望しながらついに認められなかったカブトゼクターに、ここでとうとう認められ、仮面ライダーカブトになれた加賀美。天堂の不在という補欠的状況が生んだものであっても、本編での果たされなかったキャラクターの思いが昇華されて、熱く美しいエピローグ回収回でした。

『仮面ライダー電王』回

そしてなんと言っても電王回。残念ながら多忙を極めるであろう人気俳優・佐藤健は出てくれなかったけど、代わりに桜井侑斗・デネブコンビが、時空超えて縦横無尽に活躍してくれた。そうだ、タイムマジーン以外にも、ライダー作品にはもともと時間を超える超特急・デンライナーとゼロライナーがあったじゃないか!興奮した。ちゃんと「あれ…?桐矢京介?」「誰だそれは」というくすぐりというか至極まっとうなツッコミを入れてくれたのも面白かった。久しぶりにモモタロスらイマジンがワイワイやってるのも楽しかったな。途中、モモタロスがウォズに憑依するのを見て以来、ウォズ役の彼が佐藤健に見えるようになった、という声も。

あ、あとここで言う話じゃないんですが、冬の映画で佐藤健がとうとう良太郎役でオファーを引き受けてくれた、ということで喜び勇んで見に行ったんですが、なんですかあれ? 出るには出たけど、短い出番の最初から最後までずっとウラタロスが憑依したU良太郎のままじゃないですか。その状態だと声も自我もないし、良太郎として出たことにならないでしょう…。ガワがスーツアクターか佐藤健かの違いでしかないじゃん…。どういう事情があったのか知らないが、あの演出は本当にがっかりした。

死と再生

門矢士、海東大樹のコンビも良かった。ライダー世界の時空を超えるというテーマで、最強の狂言回しとして縦横無尽にオーロラカーテンを操る門矢士と、士が好きすぎてどこまでも追い回す(?)海東大樹。聞く所によると、海東役の人って、俳優業やめて声優に転校したと言うじゃないですか。それでも最後のディエンド役のオファーを受けて立派に演じてくれた。泣ける。ツクヨミを庇って死んだ門矢士を、副作用も顧みずにお宝ウォッチの力で蘇らせる海東も泣けた。

そう言えばこの作品って、割と人の「死」の場面をちゃんと描いていましたね。結構ライダー作品の「死」って、フワァ…と光って消えちゃったりとか、直接的な死として描かない作品が多いんですが、本作ではその死が作品上の本当の死(時間が巻き戻ったり生き返ったりしない)なのかそうでないのかに関わらず、ちゃんと生身の人間が死ぬシーンとして描いていたなあ、という印象があります。

見始めた当初は、「総決算でこれまでの平成ライダーがでてくるって…ディケイドの焼き直しみたいな企画だな」なんて思っていましたが、蓋を開けてみれば、そのシナリオと演出の力の入りよう、オリジナルキャストの特別出演と、レギュラーキャストの好演でどんどんひきこまれていきました。10年より20年。まさに総決算にふさわしい作品になったと思います。映画を見ても思ったのですが、平成ライダーってキャラも世界観もバラバラで…、でもそこが面白いんだな!と、改めて思いました。そしてそんなバラバラの世界を一つの作品として撚り合わせたシナリオ、脚本と演出の力にも敬意を評します。

そして最後に、「ミスター仮面ライダー」こと、高岩成二さん。平成ライダーのほとんどの1号ライダーの中の人を務めたスーツアクター界のレジェンドが、今作をもって1号ライダーからの引退を表明。(Twitter)平成最後のライダーキック、脳裏に焼き付けました。

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