『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピック ON 銀幕』  

2011年3月1日 火曜日

年に一度の戦隊vsシリーズ。今年の戦隊の最後の花道として、サブとして出てくる昨年の戦隊と対決、共闘する…。という内容のはずなのだが、どうにもシンケンジャーが主役になっているように見える。まあそのあたりは東映も人気商売、グッズやDVDの売上、視聴率その他から、シンケンジャーの比重を増やしたほうが得策というビジネス的判断が下ったのかもしれない。

シンケンジャーが「大人が楽しく、子供も楽しめる」シリーズだったとすれば、ゴセイジャーは「子供は楽しめる」シリーズだったと言えるだろう。それはつまり大人が本気で見るとちょっとツライということなのだが、もともとが子供向け番組なのだから、その点で攻めることはすまい。そのおかげで本作は、「大人も子供も楽しめる」娯楽作品に仕上がっている。

<以下、ネタバレ感想>

ゴセイジャーvsシンケンジャー

本来なら悪と戦うために共闘すべきスーパー戦隊を対決させなくてはならないので、色々工夫を凝らす必要がある。去年の『シンケンジャーvsゴーオンジャー』では、敵を欺くためにわざと殺し合うフリをするという、『北斗の拳』ケンシロウvsレイを思わせるシナリオだった。今作では、シンケンレッドが敵の術にかかり、ブラックシンケンレッドとして操られてしまう、という設定。

ブラックシンケンレッド

これは、はっきりいって僕のごとき殿崇拝者にとっては憤懣やるかたない。百歩譲って敵の術中にはまって操られるまでは認めても、「友情、それ以上の仲間」たる家臣のサムライたちに本気の刃を向けてはいかんでしょう。それでもこのプロットを使うならば、ゴセイジャーをギタギタに叩きのめした後で、シンケンジャーにも軽く攻撃し、とどめの刃を振り下ろそうとしたところで無意識の自我が手を止めて、「ぐぐっ…!」(面の中で顔をゆがめる殿)、「殿ぉッ!」「タケル!」「タケちゃん!」「殿さま!」「今だ、モヂカラを集中して…!」で開放、これしかない。この展開なら燃える!

それが、ゴセイレッドが仲間のサポートを受けて、力で打ち負かして解決。ってなんじゃそりゃ、ですよ。
(強いて言えば、フル装備で無双状態になった殿が誰も勝てないくらい強かったのは痛快だったが…。)
(どんな障害でも「諦めなければ何とかなる」と「戦って倒せば何とかなる」で解決しようとする姿勢は、子供の教育上よろしくないのではないか…。)

骨のシタリを殺すべからず

もう一つ、言いたいことがある。
それは、シンケンジャーの悪役“骨のシタリ”についてだ。骨のシタリは、シンケンジャーに出てくる参謀系のキャラで、大ボスのドウコクの意向を受け、ときにはその力を利用し、外道衆を操って人間界への進出をもくろむ、シンケンジャー世界の超重要キャラである。
それを、この映画では引き継ぎ戦隊のゴーカイジャーにとどめを刺させてしまった。これは歓迎できない。

最終回でも、ドウコクが滅びても「あたしゃ生きるよ!」としぶとく三途の川に戻り、だからこそこうして続編も制作できるわけだ。シンケンジャーがいる限り、この世に悪は栄えない。だが骨のシタリがいる限り、シンケンジャーは終わらない。つまり骨のシタリが退治されずに生き残っていることはシンケンジャー世界の存続を担保するよすがであり、それは逆説的にシンケンジャーファンにとってのより所でもあったのだ。

まあ、ゴーカイジャー世界は、そもそもスーパー戦隊が全滅した後の世界らしいので、外道も何もないのかもしれない。そういう意味では、ゴーカイジャーは戦隊シリーズにおける「世界の破壊者」なのであり、僕らはあえてこう言おう。「まさに外道!」

アクションもCGも充実していて楽しめたし、久しぶりに集まったシンケンメンバーが生き生きとしていてよかったけど、設定、対決、合体と総合的に比べると、前回『シンケンジャーvsゴーオンジャー』のほうが燃えたな。脚本の差か。


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コメント / トラックバック 2 件

  1. cian Says:

    ゴセイもシンケンも強い思い入れのない、戦隊シリーズという大枠そのものが好きな立場からの意見と前置きさせてください。
    両方の戦隊の色を上手いこと出していた作品だったなと思います。近年のvsシリーズでも比較的良いほうだったかと。脚本の下山さんが両作品を描いていたこともあってか。

    殿が自ら外道の世界に足を踏み入れようとしたならまだしも、今回はおそらくブレドラン(ブラジラ)のダークゴセイパワーで上塗りされていたという設定でしょうからね。
    たぶん前者であれば、ゴセイの「決して諦めない」が主体では解決したと思えないです。というか前者をやったら、シンケン本編は何だったんだと言われちゃいますね。

  2. 宮本 Says:

    初のコメント、ありがとうございます。
    なるほど、そういう見方もあるんですね。確かに僕の場合、シンケンジャーに偏りすぎである点は否めません。脚本家についても意識していたほうがよりディープに楽しめそうですね。
    殿のブラック化についても仰るとおりですね。

    勉強になりました。今後ともたまにコメントをいただければ嬉しいです。

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